【SOSの猿】猿と時間軸にやられる【読書感想】
帰りの駅のホームで舌打ちをされました。人混みでよくある、人とぶつかりそうになったから、一旦止まって、お互い止まってじゃあお先に。なんて同時に動き出して、また突っかかって。って言うアレです。
たかがそんなことのために見ず知らずの夜の駅の改札でサングラスかけたばかみたいな風体のお兄さんに舌打ちをされて内心ちょっと傷ついたのですが、後々、ああいうやつはきっと舌打ちして満足するようなやつで、舌打ちした瞬間なにに舌打ちしたかも忘れるようなばかだから、くよくよするだけ無駄だな。そうだな。と思ったのはまた別の話。
こんばんは。コマツです。
というわけで、最初の記事をしたためようかと思います。
好きな小説家は村上春樹で、好きな作品は1973年のピンボールです。最初にいっておきますが、これは本文とは関係ありません。全く。
ついこの前まで村上春樹しか読んでいなくて、村上春樹以外の小説家の作品はきっと読み切ることができない。と本気で思い込んでた愚かな子だったのですが、そんなこともありませんでした。
リンクの貼り方大丈夫かな…。
伊坂幸太郎といえばアニメ空中ブランコ、映画イン・ザ・プールの人だよな。と思って今調べたら、ぜんぜん違う人でびっくりしました。ものすごい勘違いですね。誰かにこの話したな…。あ、アレ嘘だそうです。
重力ピエロとか、アヒルと鴨のコインロッカーとかの人ですね!
アヒルと鴨のコインロッカーは見たことあるけど全く、なにも覚えていませんすいません。イン・ザ・プールは面白かったです。もはや本文とはなにも関係ありませんが。
とにかくこのSOSの猿はコマツが初めて読む伊坂幸太郎作品なんです。多分。
まず、ネットとかで「村上春樹 おすすめ」とか「村上春樹 みたいな」とか検索すると、高確率で伊坂幸太郎が登場します。なんでも作風が村上春樹に似ているからとか。
少なくともコマツは微塵もそんなことは感じませんでした。確かに二人の登場人物がバックトゥーバックで進められていく部分とか共通点はありますが、それはただの方法であって、似てるかどうかとは別の問題だと思います。
文章は村上春樹ほど胃もたれはしません。村上春樹のようなありとあらゆる情景やくどい比喩にあふれた重たい文章ではありません。
村上春樹が油マシマシ豚骨だとしたら伊坂幸太郎はこってり魚介といったところでしょうか?意味不明ですね!
この作品の特徴としては後半ちょっと入ったところから、バックトゥーバックだった構成そのものが展開するところでしょうか。
追いかけっこで二人の人物が同じ時間軸をウロウロしているのかとおもいきや実は時間軸は最初から大きくずれていて…。聞く所によると、伊坂幸太郎作品にはこのような展開、時間のズレの答え合わせのようなものがよく出てくるようです。
その手法が、ファンタジー感と言うかあからさま過ぎるフィクション感と相まって余計に心くすぐられるというか、更に破壊力を増すというか。読んでいて思わずのけぞります。少なくともため息は出ます。
可愛らしいほどのフィクション感の中にしっかりと構成を落とし込んだ、ページ数の割に読みやすくてヘルシーな物語。
多分他にもっと伊坂幸太郎導入にふさわしい一冊はあるのでしょうけど、これはこれでかなり満足の行く一冊だと思います。
おやすみなさい。