【ガダラの豚〈1〉】呪術、トリック、心理学!【読書感想】
未だにこのブログの方向性を見定められておりません。こうして前口上を絞り出そうとしている時に限って廊下を挟んで向かいの部屋にいる妹が大声で歌い始めるなどして、いい具合に気をちらしてきます。挙句の果てにはつかれたから今日は早く寝ようと床につくときに限って誰かと大声で電話する始末。その度に実家ぐらしの負い目をひしひしと感じます。
こんばんは。コマツです。
このブログを始めてから余計に本を読むようになりました。それまではアイフォーンのデータ通信量が7ギガ超えて低速モードにならないかぎり本は読まなかったし、読んでも本棚にあるほとんど村上春樹しかないリストから一冊選んでななめ読みみたいなもんだったのですが、気づけば意識していろんな作家の本を読むようになってきました。以前のコマツからは想像もできません。おかげで唯一のニュースソースであるフェイスブックもあまりみなくなり、いよいよ浮世離れが深刻です。
ガダラの豚〈1〉
「小説 おすすめ」などで検索すると割と頻繁に目にするタイトル。試しに読んでみようと探しまわったのですが、どこのブックオフにもなく、仕方なくUCギフト券で新品を購入。文庫三部構成。お財布にはあまり優しくはないですね。ところで、村上龍の『半島を出よ』なんてブックオフですら400円代って流石にそれはそれで高いのでは?だいたい文庫なのに何であんなに分厚いのでしょう。それだけでまだ読む気にはなれません。
文章自体はとてもスタンダードに進みます。タイム・パラドックスや、構成上のひねりなんてものはほとんどありません。スーっとスムーズに時間が流れていきます。
その分、シナリオに入り込めるのかもしれません。この本が、一気読み、不可避!なんて言われているのはそういった読みやすさも影響しているのかもしれません。
この作品は三部構成になっているのですが、それぞれに一旦話が落ち着きます。正直先ほど一部を読み終わったばかりなので後の2つには目を通してません。あくまで一部を読んだに過ぎませんのであしからず。明日から二部は読みます。
主人公はアル中の民俗学学者。一部のボスは新興宗教の教祖のジジイ、ヒロインは美人な嫁。
抑えるべきポイントはこんなものでしょうか。割りと雰囲気はトリックに近いです。キャラクターもクセのある濃いのが揃っているので、ドラマにするなら火曜サスペンスと言うよりは火曜22時から、あるいは土曜の深夜みたいなちょっとポップで万人受けしやすそうな枠で放送できるような気がします。ちなみにトリックは金曜の深夜と、木曜の21時から放送していたようです。おしいですね。
一番衝撃を受けたのは教祖とヒロインの嫁を勧誘した狂信者の女のセックスシーンだったのですが、とにかく汚くて臭い。というかなんかもうグロい。
全体的にのほほんとポップな雰囲気で物語が進んでいくので余計にその汚さと言うか、悪、悪役。といった雰囲気が露骨に出てきたのではないかと思います。こんなシリアスなセックスシーンは初めて読みました。怖い、とすら思いました。誰一人殺さずにセックスだけで完全な悪人になれるこの教祖、この作者只者じゃないです。
頼むから嫁を狂信者に仕立てあげて犯すのだけは勘弁してくれ!おい!アル中!そんなところで道草食ってないで早く嫁さん助けろよ!!
一部は300ページあるのですが、終始読みやすいのと、テーマ的にもわかりやすいテーマ。奇術、超能力、手品など。そのテーマに対する説明がきちんとなされているのでとても読みやすく、ペロッと平らげられました。オカルト好きもそうでない人も万人に受ける作品ではないかと思います。
まだ一部しか読んでいませんが。
おやすみなさい。