cocomat's BLOG わかってないひとの書評

このブログは、本や美術展等の感想とその他ムラムラっとした雑記も交えてお送りいたします。

【ラファエル前派展】ロセッティと洋服のにわか知識【美術館】

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美術館に行くのは好きなのですが、絵画も彫刻もいまいちよくわかりません。様式も技術もほとんどなにも知らないし、絵画の感想を言葉で表現するのもあまり得意ではありません。それでも楽しいです。「うわーすげー。」なんて月並みなこと思いながらドキドキするのがなんともいいです。

こんばんは。コマツです。

金曜日の記事に習って今回も美術展の感想です。

「額縁」と「服」を見る。美男美女の巣窟。

ラファエル前派に関しては大学の授業でちょろっとやっただけなので、ちょろっとしか知らず、今までのラファエル前派の企画展は全て行きのがしていたので、今回が初めての、ちゃんと見る。ラファエル前派でした。

ラファエル前派が何なのかっていうのはここでコマツが書くよりもちょっとググっていただいたほうがはるかに詳しくわかりやすい説明が見れると思うので割愛します。まぁそんなこと言い出したらこのブログ自体なんなん?って話になりかねませんが。

じゃあなんで服飾学生がラファエル前派なんて授業でやるん?って話なんですけど、キーワードはロセッティ、モリス、プロセルピナだったんです。残念ながら今回の展示会ではモリスもプロセルピナもありませんでしたが…。

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ここからは授業のノート参照。

1890年イギリスに健康・衣服芸術同盟なるものが設立します。そのちょっと前から続く女性のコルセット・クリノリンの流行に反発するような運動に、更にデザインや芸術的観念を加えた、女性の服装の改善とともに芸術的に美しい衣服を目指す同盟だったそうです。そのメンバーの中にこの展覧会にも作品のあるロセッティやみんなが大好きなテキスタイルで有名なモリスなどが参加していました。

今回の展示会のセクションにもあるようにラファエル前派の作品には古代ローマ風の作品がちょくちょく見られます。なんでそんな作品がよく見られるのかはコマツはよく知りませんが、それはロセッティにしても例外ではありません。そして、その作品達には特定の物語や歴史を題材にしたものでないものも多くあります。古代ローマ風の情景を作って、それを描くこともあったようです。

なのでそういった作品に出てくるような衣装はあくまで古代ローマ風であって、それを当時のテイストにアレンジした衣服でした。そしてそういった服をデザインしていた人物の中にロセッティや、モリスがいて、モデルとなったモリスの妻(ロセッティの愛人)なんかがブルジョア階級にありながら、コルセットなどをつけずにこうしたロセッティらが作った服を日常的に着ていた。と、いうことだそうです。

と、まぁそんなことは抜きにしてもとても綺麗で素敵な展覧会でした。入口入って最初に目に入る作品の金色の鎧とその周りの額のバランス。開幕早々ノックダウン寸前になりそうな。つかみはバッチリでした。そして何より描かれている人間がとことん美男美女。そしてゆるやかなドレープの服。服のシワというシワ、ドレープの線、光沢。ここまで綺麗にリアルに服を描けるのかという感動に思わずため息が出ました。

人はとても多かったですが、とても穏やかな作品ばかりでリラックスして楽しむことができたように思います。1500円ぶんは余裕で楽しめました!

おやすみなさい。