cocomat's BLOG わかってないひとの書評

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【新世界より(上)】長い座学の後に広がる開放感【読書感想】

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以前まだ学生の時に温泉に行ったんですけど、結構山奥の現地の人も気軽に遊びにこれるような山奥の温泉だったんですけど、男子更衣室におばあちゃんの清掃員がいて。久しぶりの温泉かつ数年感異性に全裸を見られてなかったこともあり。「いいですか?脱ぎますよ!」と何故か割と大きな声で訪ねてしまいました。「そんなんしょっちゅう見てるから気にせんでえぇ!」と怒られる始末。

こんばんは。コマツです。

職場の先輩にこういうブログを書いているというと数冊文庫をくれてかつその本が気になっていたものだったので長そうだけど、『新世界より(貴志祐介)』読み始めてみました。

 

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

 

 とにかく長い説明に耐えられれば優勝。

舞台は千年後の日本という名の超異世界。地名や日本語がリアルとリンクするなんて気休めでしかないくらいの異世界で繰り広げられるSFファンタジーです。アニメ化もされていますが、ここまで清々しいファンタジーは本当に久しぶりです。

とにかくとことん異世界なのですが、だからこその『新世界より』というタイトルなのでしょうが。とにかく説明が長い。長すぎる。アニメ化や前評判も相まってこの長い説明がとてもウズウズするのです。

小学校の時に町内会のレクリエーションで、体育館でホッケーをするというプログラムがありました。ホッケーなんてやったことも見たこともなかったので興味津々で参加したのですが、目の前に、ヘルメット、あの玉を打つゴルフクラブのような棒、専用の変わった形状の玉を前にして、確か三時間ほどのプログラムだったと思うのですが、その中の一時間以上はルール説明や、注意事項、危険行為の説明と、基本動作の練習でした。

「目の前にある棒に早く触りたい!玉を打ちたい!ていうか早く試合させろ!!」

そんな気持ちでウズウズしていたのを今でも覚えています。

それくらい説明が長いです。しかし、いざ物語が始まってしまえば、楽しいレクリエーションのゲームのようにあっという間に物語は駆け抜けていきます。

もうここまできてしまえば、シナリオ、設定は読む人を引きつけて離さないでしょう。初めて出てきた固有名詞ですら愛おしく、ワクワクさせてくれるかもしれません。

なぜならそれは、非常に緻密に語られてきた前半の死ぬほど退屈な説明があるからです。確かに、もっと簡潔にするとか、物語にうまく溶けこませて説明感を抑えてそれとなく説明するとか、上手なやり方は他にあるかもしれません。

しかしめげずに読んでみてください。積み上げられた石垣から駆け下りるのはそれはもう気持ちのいいものですので。


Broadcast - Come On Let's Go

おやすみなさい。

 

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