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cocomat's BLOG わかってないひとの書評

このブログは、本や美術展等の感想とその他ムラムラっとした雑記も交えてお送りいたします。

【1973年のピンボール】粋な言い回しにあふれた名作【読書感想】

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久しぶりに病院に行ったんですけど、行きつけの病院の先生が良くも悪くもすごく早く患者を回す先生で、いつも待合室に数名のジジババと共に待ってるんですけど。一人あたり大体一分の処置で終了。みんなあっという間に処方箋をもらって帰るんですね。たった一分で受診料1000円ってやっぱり医者ってスゴいですね。

こんばんは。コマツです。

500ページ級の本を立て続けに読んでいるとブログを書くこともできなくなってしまうので、短いものを挟んでみました。『1973年のピンボール(村上春樹)』コマツ村上春樹の作品の中で一番好きな作品です。

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

 

我々はピンボールのように永遠に同じ世界をさまよう。

この本を開く度に、主人公がピンボールに惹かれるように、ふとした折に無性に読みたくなる中毒性のある作品。鼠四部作の二作目に当たるこの作品は、物語全体が、ピンボールのような構成になっていて…。と言うのはまた別の話。

とにかく、起伏のない淡々とした物語の中で紡がれる、粋な言い回し。ヌメヌメっとした雰囲気の比喩。苦味のあるジョーク。それらが、ちょっと飲みにくいたぐいのお酒のように、ジワジワと広がっていくような気がします。

「つまりね、ん……、双子の女の子と寝てる人なんてのはさ。ねぇ、旦那も大変でしょ?」

「そうでもないよ。」と僕は二杯目のコーヒーをすすりながら言った。

「本当に?」

「本当さ。」

「彼ってすごいんだから。」と208が言った。

「獣よ。」と209が言った。

「参ったね。」

本当に参ったのだと思う。その証拠に彼は古い配電盤を忘れていった。

本当に世界は平和だなと折にふれて思います。ただダラダラとこの本を読んで、もう物語は頭に全部入っているのに、こういった一行一行が中毒的に読む人を掴んで離さないのか。コマツを掴んで離さないのか。

古本屋で買った、この一冊。1ページ目には

「コタ、誕生日おめでとう。21才、楽しく過ごしてね。 杉村」

というメッセージが書きこまれていて、しかもそれをコマツがもみくちゃに読みしごいたせいで、取れたページはセロテープで補強し、表紙はずたずたに破れている始末。

それでも本棚からこのボロを一冊、本棚から出すだけで何処かが破けないんじゃないかと恐る恐る引っ張り出してきて、ポケットに突っ込んで読みしごいてます。

それにしても、

誕生日プレゼントは売るなよ。


Zero 7 Simple Things

おやすみなさい。

 

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