【深夜特急〈2〉】自分の為について考える【読書感想】
「本棚にカッサンドルあり。」これがどれだけ自己満足、自己顕示欲、自己陶酔。わかりませんが、それだけで、どれだけなんとなく出れにもわからない自己完結型のステータスに繋がるか。そして更には内容も表紙に負けず素敵とくれば文句なしですね。
こんばんは。コマツです。
1巻に続いて『深夜特急〈2〉(沢木耕太郎)』読み終わりました。あいも変わらず世界は広い!1ページまた1ページと読み進めるごとにだんだんと浮世離れしてしまいそうな自分が怖くなります。
自分の為に生きることについて考える。
この本を読み進めていると、サラリーマンとして社会の枠組みにはめこまれている今の自分の人生が果たして正しいのかそうでないのかがわからなくなります。もちろんすべて投げ出して世界一周だなんて現実味もないし、言ってしまえば馬鹿げてる話です。
ただ、ありとあらゆることから逃げ出したとしてもそれが自分に必要なことならいいのではないか。そんなことをこの作品は投げかけてきます。そして同時に自分の為に生きることがどれだけ難しいことかも物語っているのではないでしょうか。
この『深夜特急〈2〉』では主人公が旅に出るまでの敬意と、他の旅人の話が出てきます。どちらも美談というわけではありません。むしろズルくある気すらします。それでも彼らは彼らなりに、自分の生きたいように生きていることには変わりないのです。たとえ一寸先は闇だろうと。
でも一寸先は闇なんで誰でも一緒か!なんて思ったりもします。ボールペンのインクが切れるのすらよく把握できてないのに明日のことなんて誰にも知るよしなんてないのかもしれません。
「自分勝手だ」とか「自己中」とか思われたくないなーなんて思ってしまいがちですが、自分に献身できなくて他人に献身できるわけなんてないのかななんて。
だったらもうちょっと自分勝手に生きてみてももしかしたらバチは当たらないのかもしれません。その後のことはその後になってから考えればいいのかもしれません。
読んでるとどんどん旅に出たくなってしまう欲望だけはどうすることもできませんが。
この欲望のはけ口は一体どこにあるのでしょう!
おやすみなさい。
関連記事