【深夜特急〈3〉】これが同じ世界なのか?と疑いたくなるほどの異世界感【読書感想】
週末に『深夜特急』シリーズを一冊読むというのも習慣になってきました。勢いで買ってみたものの、一気に読んでしまうのが惜しいと思ってしまって、休みの日に一冊ずつじっくり読んでいます。ページ量としては折り返し地点にきましたが、度はやっとスタート地点にきたようです。
こんばんは。コマツです。
『深夜特急〈3〉(沢木耕太郎)』読み終わりました。ただいろいろな国を行き来するだけでここまで興味深いことになるのかと読む度にワクワクさせられてしまいます。
これほどまでの異世界感。やっぱり世界は広かった。
舞台はインド・ネパールへと移ります。ここでの描写はやけに生々しく、その情景を想像しては目を疑いたくなるようなものもありました。まるでフィクションの物語を読んでいるような異文化、異世界が広がっています。
そういったものに驚き、迷い、戸惑って。時には体調を崩してうなされる。まるで自分が実際に旅をしているんじゃないかという気にすらさせます。今回に限ったことではないですが、3巻は特に人にまつわる描写が多くそれが余計に現実味を帯びてくるのかとも思います。
とにかく死や病気、飢えみたいなものが多く目につきました。それは時代や国がもちろん関係しているのでしょうが、全体に不穏な雰囲気のまま物語が続き、結構読むのに疲れてしまったのは事実です。それと同様に物語の主人公もコテンパンにくたびれているのですが、今思えば主人公の状況に同調してこっちまで疲れているのではないかと思わせるほどでした。
しかしそれと同時に「俺は今異世界にいる」みたいな高揚感というか、静かな興奮のようなものがふつふつと沸き立ってきます。今、異世界にいてとんでもないものを目の当たりにしている。それだけでも度に出るには充分過ぎる理由なのかもしれません。読めば読むほど、今自分がいる世界と別の世界が次々に提示されてくる。しかもそれはファンタジーなどに出てくるような異世界ではなくて現実に存在する(した)世界だということ、「世界は広い。」なんて月並みな文句がありますが、今一度その言葉を咀嚼しなおさせられる魔力があります。
とにかく読むのに疲れました。インドはちょっと遠慮します。
Cold War Kids, Hang me up to Dry (LIVE at the Falls Festival)
おやすみなさい。
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