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cocomat's BLOG わかってないひとの書評

このブログは、本や美術展等の感想とその他ムラムラっとした雑記も交えてお送りいたします。

【深夜特急〈6〉】美しい景色に息を呑み、旅の終わりにふと息をつく。寂しくも美しい旅の終わり。【読書感想】

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昨日、ちょうど雨と、新社会人、新入生の波のせいで電車がゆるやかに遅れていました。遅延するかしないか不安なまま通勤させられ、その途中でいつも電車が遅れた時にするように「山手線 遅延」などと検索してヤフーの遅延情報を観たのです。その中にツイッターの「山手線」というキーワードに引っかかったツイートが流れているのですが、あれを見る限りどうやらツイッター上では山手線は常に動いてない状態のようでした。きっと今も誰かが「山手線止まったんだけどマジ、ガン萎え~」みたいな投稿をしているのではないでしょうか。

こんばんは。コマツです。

ついに旅が終わるのかと思うと感慨深いです。至極個人的な話ですが、週に一冊のペースで、おそらく六週間くらいかけてしっくりと読み進めました。

cocomatz.hatenablog.com

「麻薬」「私はこれで仕事をやめました」とまではいかないものの、何か胸の片隅にちょっとしたくすぶりのようなものが芽生え着実に成長しているように思えます。

そんなこんなで『深夜特急〈6〉(沢木耕太郎)』読み終わりました。『深夜特急』読破です。

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

 

ありありと広がる美しさに息を呑む。

舞台はローマからポルトガル、ロンドンへと移ります。いままでのシルクロード界隈の雰囲気や情景とは一転してヨーロッパらしい芸術と建築ときらびやかな日差しのある情景へと流れてゆきます。

時にはミケランジェロの建築に絶句し、赤い屋根と青く透き通った海のコントラストに感動し、ユーラシアの果ての情景には読んでいるこっちが涙しそうになりました。長い旅の終わりを飾るのは達成感でも、目的でもなく旅そのもの。旅人を満足させるだけの情景なのかもしれません。読んでいるこっちまで旅の終わりを納得してしまうほどの情景描写は絵画や写真にも引けをとらないほど鮮やかに、壮大に、息を呑むスケールで描かれています。

その情景を見た主人公が旅の終わりを悟るように、読んでいる方もその描写を観る為にここまで読み進めてきたと行ってもいいくらい、(実はラストではないのだけれども)ラストに相応しいシーンだったと思います。

正真正銘、生の「旅のバイブル」

この「旅のバイブル」のどこに魅力を感じるかは人それぞれだと思います。香港の市場かも知れない、マカオのカジノかもしれないし、インドかも知れないし、ドネルケバブかも知れません。もしくはヨーロッパの美しい町並みか、地中海か。あるいは国境越えのバスにそれはあるかもしれません。

しかしそれらには確実に読む人の心をガシっと掴んで離さない。魔法なんて生易しいものではなく、何か呪いのようなものが込められているようにも思えます。


Warpaint-Ashes to Ashes

おやすみなさい。