cocomat's BLOG わかってないひとの書評

このブログは、本や美術展等の感想とその他ムラムラっとした雑記も交えてお送りいたします。

【ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳わたしの国貞】浮世絵、メンコ、ビックリマンシール、プロマイド、グラビアというグラフィックの普遍の文脈【美術館】

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日曜日ということもあり、おそらくテレビか何かで紹介されていたのでしょう。Bunkamuraは激混みでした。おそらくここ最近で行った展覧会では一番混んでいたのではないでしょうか。鑑賞するにも人の流れに沿って見なければいけなく、ほとんど行列のようになっていたのですが、後ろの学生と思しき女子二人組が

「今日絶対買わなきゃいけないのは、フライパンとフライ返しだからね。覚えておいてね。」

などと話しており、今日絶対にフライパンとフライ返しを買わなきゃいけない女子が、どういう顛末で今ここに並んでいるのかを考えると胸が一杯になりました。

こんばんは。コマツです。

と、いうことで『俺たちの国芳わたしの国貞』行ってきました。

www.bunkamura.co.jp

本当に激混みでうんざりするほどでした。おそらく初めて浮世絵の本格的な展示を観に行ったので今までにない雰囲気でそこそこ楽しめました。そこそこというのも、浮世絵のサイズに対して人が多すぎてしまい、遠目にも観ることが難しいというのが難点で、Bunkamuraのキャパシティ的にも難しく。とにかく「人口」「広さ」「作品のサイズ」がものの見事にミスマッチしていて非常に鑑賞が困難でした。昼下がりに行ったのですが、やはりしっかりと楽しみたいのであれば朝一はマストですね。

そもそも浮世絵ってなんぞ。

そもそもコマツは日本の文化のことを始め、土地のこと、地元の地理感すらない全くといっていいほど知識がなく、非国民と罵られても残念ながら否定ができないレベルなので、まず浮世絵浮世絵言ってるけど、浮世絵ってなんぞ?ってところから始まるわけです。

浮世絵 - Wikipedia

浮世絵版画は大衆文化の一部であり、手に取って眺め愛玩された。現代の美術展等のように額に入れて遠目に眺めるものではなかった。しかし、現在は手にとって眺めるほかに、額に入れて美術館や家庭などに飾られることが多くなった。草双紙や絵巻物、また瓦版(新聞)の挿絵の役割も果たした。絵暦と呼ばれるカレンダーの制作も行われ、絵の中に数字を隠すなど様々な工夫を凝らしたものが作られた。江戸から国元への土産にも、その美しさと嵩の低さが喜ばれた。玩具絵のように切り抜いて遊ぶものもある。

なるほどわからん。とりあえず漫画であり、新聞であり、タレントカレンダーであり、パンフレットであるといったところでしょうか。江戸で一番ポピュラーなグラフィックの技法かな?ちがうかな?浮世絵、ジャポニズムに影響された作家として、ロートレックや、みんな大好きクリムト、みんな大好きミュシャ等の名前が上がるようです。なるほどどうして。親近感が湧くのかしら。

江戸も今も好きなモノは変わらず。

作品を眺めてみると、どこか懐かしいような、最近どこかで見たような、そんな気持ちにさせられます。全体的に空想的な光景と、大げさな構図。幽霊のスケ感や、画面全体に走る稲妻などの特殊効果など。

そういえば最近会社の先輩が『ビックリマンシール』を集めていたなぁ。と。どんなシールがでたか見せてもらい、余った奴はもらったり、デスクのビニールシートに挟んだりしていたのを思い出しました。

これらの空想的、物語的なプロマイドの手法も多少、キラキラしたり、するようにはなったものの江戸時代からなにも変わらないのかもしれません。こんなこと言うと怒られるのでしょうか。それくらい親しみがあるということでここは一つ。

歌舞伎役者のプロマイド、遊女のグラビア等があるあたりもやけに親近感がわきます。

「うちの家内が最近やけに歌舞伎に熱中しちゃってねぇ、外に出る度に浮世絵買って帰ってくるんだよ。それも同じ役者の絵をだよ。他にもたくさん役者さんなんているのに同じ人のものばかりいくつも買うなんて全く理解できないよ。」

なんて愚痴を溢している殿方がいれば、

「ねぇ、聞いておくれよ旦那の袖から出てきたのよ。何だと思う?遊女のグラビアよ。これなにって突きつけたら顔真っ赤にしてだんまり決め込んじゃってさぁ。やぶこうとすると今度は真っ青になって『やめてくれぇ~』って。楽しくなっちゃってさぁ。もう責める気も失せたわ。」

なんて馬鹿笑いしてる奥方がいたのかもしれません。

そんな妄想をふくらませながら、あくまで妄想の中ですが、今も昔もそう変わらないのかぁ。などと思いにふけってしまいました。

混んでさえいなければ、もっと楽しめたなと思うとちょっともったいない気もしますが、これはこれで楽しかったので良しとしましょう。最近やけに美術館が混んでいる気がするのは気のせいでしょうか。今度こそは午前中に見に行きたいものです。

ZZTop "Master of Sparks"

おやすみなさい。