【村上春樹とイラストレーター展】え、村上春樹が好きなの?じゃあ行かないでどうするの?ジャズ、活字、イラスト。ものとしての本。村上春樹の世界観に触れる【感想】
えー、一週間ほどブログを放置しておりましたこと、別に謝罪する必要はありませんね。
理由としましては、本を読むのにつかれた、ディズニーランドが楽しかった。残業などで書く気になれなかった、ブログの存在を忘れていた。などまぁいろいろあります。
そんなことより、七、八年ぶりくらいにディズニーランドに行ったのですが、すこぶる楽しかったですなんですかアレ。夢の国ってまんざらでもなさすぎますよ。楽しすぎました。
こんばんは。コマツです。
ちひろ美術館で開催中の『村上春樹とイラストレーター- 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸 -』に行ってきました。
ちひろ美術館ははじめって行ったのですが、かなりこじんまりした敷地なのですが、カフェーがあり、テラスがあり、緑があり、かなりいい雰囲気の美術館でした。
「ちひろ美術館」なんて変わった名前だなぁ。なんて思ってたのですが、「いわさきちひろ」の美術館なのですね。絵本の原画などがメインの美術館だそうです。
展示は「いわさきちひろ」の展示から始まります。そこまで多くはない展示をさっと見て部屋を移ると、今回のお目当て『村上春樹とイラストレーター展』が始まります。
ジャズ、イラスト、エッセイ。村上春樹という人物を体感する。
最初は村上春樹の年表やらの情報が載った大きなボードがある廊下を通るのですが、進むにつれてだんだんと音楽が聞こえてくるのです。
ジャズですねー。BGMのある展示なんてあまり遭遇してなかったので結構びっくりしました。しかもそれがジャズだなんて。
村上春樹がジャズ好きだとか、そういう前情報がなくても村上春樹の作品をいくつか読んでいる人であればこのBGMでもう「この美術館。わかってる。」と唸ることまちがいなしです。
前半は『ポートレイト・イン・ジャズ』等のエッセイ集等の挿絵や『アフターダーク』の時計のイラストの原画の展示です。コマツは村上春樹の作品は長編しか読んでいないので、エッセイなどになると読まずにここにきたことを後悔してしまうのですが、『アフターダーク』原画などになると「あぁ、コレもそういえばイラストなんだな!」なんて。もうコア過ぎて嬉しくなりました。
とりえず合間を縫ってエッセイと短編もすべて読破することを誓ったのは言うまでもありません。
ものとしての本。そこからにじみ出る世界観を読む。
そして二階の展示室では『風の歌を聴け』から始まる青春三部作の表紙のイラストの原画とそれにまつわる逸話が展示されていたり、『羊男のクリスマス』の制作秘話や、絵の原画、『村上ラヂオ』の挿絵の原画が展示されています。
もうこの青春三部作の表紙の原画が見れただけで自転車一時間漕いで来たかいがありました。
特に『羊をめぐる冒険』の表紙がコマツはすごい好きで。物語にはない状況にもかかわらず、さも物語をしっかりと象徴している。この展示を見るまでは、言葉にできなくとも漠然とそんな感想を持っていたのですが、この展示でそれが確信に変わった気がします。
これらのシリーズの表紙は割と抽象的というか、細部を描かないような、イラストなのですが、流石というべきかやはりというべきか、物語の内容から多少逸脱したとしても、物語の雰囲気を丁寧に再現する。
むしろ物語の雰囲気を一枚のイラストに再現できるのであれば、作品の内容から逸脱することも辞さない。そんな気概が表紙のイラストにはあり、今回の展示ではそれらについても言及されています。
村上春樹の魅力はその物語の内容もさることながら、本になった時のその物取しての雰囲気すらも村上春樹っぽい。というところにもあると思います。そしてそれに惹きつけられたという人も決して少なくないのではないでしょうか。
村上春樹が好きなんですか?じゃあ行かないでどうするんですか。
不意に展示室に響く『「危険な関係」のブルース』。きっとシビれること請け合いです。
危険な関係のブルース les liaisons dangereuses アートブレイキーArt Blakey
おやすみなさい。