cocomat's BLOG わかってないひとの書評

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【ガダラの豚〈3〉】呪術怖い!呪術グロい!だけどページは止まらない【読書感想】

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お気に入りのジーパンのブランドがありまして、かれこれ10年近く愛用しているのですが、4,5年に一度くらいでどうしてもダメになってしまうんです。その度に同じものを買い直しているのですが、どうやら人気で、なかなか見つけられず。先日運良く再入荷の朗報が舞い込みダッシュで買いに行き、試着し購入しました。三代目April77の誕生です。代わりに買ったチープマンデーは作業用にします。

こんばんは。コマツです。

ついにガダラの豚読了です。一部二部に引き続き完結編です。 

トリック風サスペンス、アフリカミステリーに続くアクションスプラッター。※グロ注意

一部のコメディチックな雰囲気、二部のアフリカ冒険起稿に引き続く第三部は、なかなかにグロいアクションスプラッターでした。二部の終盤の不穏な空気のまま舞台は東京に戻るのですが、ありとあらゆる人物が死にます。とても残念です。まぁどんなアクション映画でも、メタルギアソリッドでも終盤はわりかしドンパチしてます。人も死にます。非常に残念ですがそういうふうに相場は決まっているのでしょう。それにしても人が死に過ぎな気もしますが。一部二部が良かっただけにその点のギャップが…。

主人公はアルコールを絶った民俗学者、三部のボスは最強の呪術師、母は剣より強し。

三部の構図はこういったところでしょうか。

ただラスボスがチート級に強すぎるのです。と言うかチートです完全に。作者ですらヘタしたらどうやって勝てばいいのかわからなかったのではないでしょうか。

ちょっとグロいのを我慢できれば、第三部はとても良く出来たスプラッタホラーアクションといったところだと思います。呪術、奇術、武術、心理学。相変わらずこんなのが目白押しです。相変わらず。ただ今回は冗談抜きに怖いところは怖いです。

殺人のシーンは残酷だし、描写はグロテスクだし、超能力はホラーじみてるし、とにかく怖いのですがそれでも顔をひきつらせながらもスラスラと読んでしまうのが不思議なところです。うわっ、グロい!なんて思いながらもページをめくる手が止まることはありませんでした。

中島らもの本気を見た。

本の内容以外に驚いたのが、本に記載されている参考文献の数でした。アフリカの本からスワヒリ語会話の本、熱帯病の予防の本からトリック、心理学、密教など40以上の参考文献が挙がっていました。1000ページ足らずの小説にここまでの参考文献。この奇術と呪術に対する異常なまでのこだわりと執着。登場する呪術の解説や奇術のネタ心理学は全くでたらめでないという安心感が伺えます。というかここまでされるとちょっと引きます。

20年前の本だし、三部構成だし、これ一気に勝ったはいいもののつまらなかったらどうしよう。なんて不安でしたが、親切な解説とキャッチーなアフリカで難なく楽しめました。

おやすみなさい。 

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