【箱男】混乱の中手探りで読み進める好奇心。マジでヤバい一冊【読書感想】
駅の構内にシャネルの大きなショップバックを持った女子高生がいて、どうせお母さんに袋だけもらって、弁当やらジャージやらリコーダーやら入れてるんだろうと思って通りすがるときに、ショップバッグの中身が丸見えなんですよ。それでチラと中身が見えたのですが、綺麗に梱包されたシャネルの箱がはいってまして、池袋の北口。何かやましい物を感じます。けしからん!
こんばんは。コマツです。
『砂の女』で安部公房に出会い、『笑う月』でこいつヤバいぞと感じ始めました。そしてこの『箱男』。決定打です。コマツの中で安部公房はヤバい認定されました。
めまぐるしく広がる意味不明さ。
時代とか、形式の問題もあると思いますが、とても難しく、読みにくいです。油断して読んでいると途端に意味不明に陥るし、油断していなかったとしても結局読み終わる頃には意味不明なんてこともザラにありそうです。
コマツは結局意味不明なまま読み終えてしまい、普段はあまり読まない解説まで読む始末。ただ解説を読んだところで理解が深まったかというと実はそうでもなくて、結局はその心もとない手がかりを頼りに繰り返し読んで理解を深めていくしか無い気がします。
この場でコマツのない頭を絞って薄っぺらな考察を述べたところで、あまり意味を成さないだろうし、そういうブログではないので考察などは控えます。短期間に同じ本を繰り返し読むのも苦手なので。なのでまず、一回読んで満足したいような人には確実にお勧めできません。周回プレー必須の作品です。
読み解きたいという欲求がムジムジと湧いてくる。
けれど、久しぶりに本気で文学の授業を受けた時のような、本気で文章を読み解いて考察したい欲のようなアドレナリンのようなものが、脳みそからムジムジと湧いてくる感じがあったのもまた事実なのです。
いつか余裕のあるときにもう一度手にとって読みたい。ではなく読まなければいけないと思わせる読後感。混乱必須の文章の中で自分なりに遭難せずに読破してみたいという好奇心がふつふつと湧き上がります。しかし生半可な気持ちで手を出すと大怪我というか、本当に高確率で積み本と化してしまう。そんな一冊です。
安部工房、本気でとんでもない作品ばかりですが、その読みにくさはお墨付きなのでチャレンジするときは頑張ってください。
DEAD (OFFICIAL VIDEO) - HUSKY LOOPS
おやすみなさい。