【双頭の船】3.11から五年目。今一度希望について考える【読書感想】
3.11から五周年です。偶然かどうかわかりませんが、ちょっと前に誰かのブログで見た本が近所の本屋にあったので買って、その後に読みたい本の記事を書いたのですが。どうやら3.11をテーマにした小説だということで。今この記事を書いているのは3/11で、投稿されるのはもうちょっとあとなのですが、今一度3.11について考える良いきっかけになった気がします。
こんばんは。コマツです。
『双頭の船(池澤夏樹)』を読みました。行き帰りの電車と、会社の昼休みには基本的に本を読んでいるのですが、職場ではいつもJ-WAVEが流れていて、今週は3.11ウィークということで、3.11の特集が多かったように思えます。
ついでにビートルズのプロデューサーがお亡くなりになったというのも合わせてJ-WAVEは最近死んだ人が作ってきた曲を聞きながら5年前の事故のことを思う。というなんともややこしい状態になっていました。
たかが、寓話。されど、寓話。今一度希望を認識する。
被災地をめぐる問題は大きいです。被災地なのに避難者を受け入れなければならなかったり、五年たった今も多くの人が仮設住宅で生活している。今年も仮設校舎で卒業式が行われた学校もあります。現状は決していいとはいえないものだと思います。とある学者さんがラジオか何かで「仮設での生活はあくまで仮設であって本物ではない。しかし、希望を抱き続けるには時間がかかりすぎている。そこが問題だ。」みたいなことを言ってました。
この物語では3.11を模した災害の後の魔法のような船とボランティアの青年達の物語です。現実と違うのはこの一団、特に船が圧倒的な力?というかエネルギーで人々の希望を引っ張っていることにあるのです。最初はいらない自転車を直して修理するってところから始まるのですが、そこから船がどんどんと成長して人々の希望を背負っていく。それを青年たちがサポートするといった物語で、その世界の住人はちょっとの起伏はあれど希望を忘れることはなかったのではないかと思います。
震災から5年が経ちました。未だにこの時期になるとちょっと嫌なムードが現実でもネット上でも立ち込めます。粛々とするのは正しいことかもしれないけど、未だにいろんなことに「こんな時期に不謹慎だ。」という輩も少なくありません。
いつまでもそんな雰囲気を引きずっていていいのでしょうか。もっとポジティブに物事を考えてももうバチは当たらない段階に来てるのではないでしょうか。
とても難しい問題なので、コマツのような輩がなにかいうのは間違いなのかもしれませんが、こうしたタイミングでこういったな本に出会えたのは素敵というと語弊があるかもしれませんが、今一度思いを馳せるいい機会になったと思います。
I love you & I need you ふくしま / サンボマスター 2011.4.6渋谷WWW
おやすみなさい。
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