【限りなく透明に近いブルー】吐きたくなるくらい汚い物語に酔う【読書感想】
先日出勤中の電車で目の前にイケメン風の男子が立っていました。目立つ服装にちょっといけ好かない態度で感じ悪かったのですが、ちらっとスマホの画面が見えたのです。女の人とメールのやり取りをしていたのですが、中国語で、「我求上裸」。まさか!朝から!
こんばんは。コマツです。
あまりにも一日することがなかったので一気読みしてしました。なんかもうめちゃくちゃで気分も悪くなるのに何故か時たま読みたくなる本。読んだってつかれるだけなんですけどね。
セックス、ドラッグ、蛾。とにかく汚い芥川賞。
もう、とにかく汚い。部屋から登場人物からセックスから風景から、なにからなにまでとにかく汚い。ついでに文章もめちゃくちゃ。読んでいて目が回る作品です。
「え、村上龍って元ジャンキーでしょ?」
なんて言ったって、この本読んでたらそう思うのも仕方ない。ってなるのではないでしょうか。お前、絶対ヤバいクスリ決めてラリったことあるだろ?って言うくらいリアルな描写。時たま純粋さと言うか幼稚さが除くセリフ回し。わけも分からず読んでいるこっちまで苦しく、切なくなってきます。とにかくキツい作品です。車酔いとかそういうのに弱い人にはお勧めできません。
デビュー作にしてキレたナイフ。
この作品は読んでいる人の五感に襲いかかってきます。とにかく汚いし臭い。口に色んな物を押しこまれて(しかもその大体が汚いもの)、色んな物吐き出して、ありとあらゆる傷や怪我を負います。やたらと目も回るし、寒気のする幻覚も見ます。雨も刺すように冷たいです。
それでも読む価値はある気がします。読んでおいて損はないです。
物語に希望も糞もあったもんじゃないです。クソはあるかもしれないけど。
とにかくこの物語を使って村上龍が読者に襲いかかってきます。イタイくらいに、怖いくらいに襲いかかってきます。芥川賞受賞作にしてデビュー作。読めば、ある意味納得ができると思います。
とにかくほぼずっと酔ってます。お酒やなんかやばいクスリですごく悪く酔ったことがある人はわかると思いますが、あの目の回る感じ、腰の抜ける感じ、夢と現実がテレコになる感じ。物語通してずっとそんな感じです。
そんな救いも希望もないような状況の中、焦点のあってなさそうな目でひたすら主人公はなにか見つけようと見続けます。幻覚も汚い部屋も傷も虫も天気も闇も。そして最後は『限りなく透明に近いブルー』。
処女作と舐めてかかるとどえらい目にあいます。多分相当きつい読後感が残るか、くそつまらないか、途中で読むのをやめてしまうと思います。それくらい人を選ぶ本かもしれません。物好きは是非チャレンジして、気分を悪くしてみてください!
Beach House - Apple Orchard - Juan's Basement
おやすみなさい。
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